キオクテイク 1| Tricolore トリコロール

とらがまだ2才だった頃
家から5分の自動販売機まで
小さな手足をせわしく振りながら
てくてく歩いて
ビールとジュースとを買いにいく途中
とらは夕方になりかけた空をふと見上げて
ゆびさした。
「あの白いのなあに?」 
 
「雲だよ。」
「くも? あの青いのはなあに?」
 
「・・・あれは、空だよ。」
「そらってなあに?」
 
てくてく
 
「空は・・・上の方にずーっと広がってるんよ。空を飛んだらどこまでも行けるよ。」
 
すると、
「とらはまだ2才だから、行けないんだよ。飛行機が飛ぶんだよ。」
 
てくてく てくてく

大きめの通りを渡って
酒屋の前に何台か並ぶ自動販売機までたどりつく。
 
「パパはどれにする? 赤いの?青いの?白いの? ・・・ とらは赤にしようかな。」
 
そう言いながら赤い自動販売機に近づいて
「パパは何飲む? とらはかわいいのにしよう。」
と、赤いパッケージのりんごジュースをゆびさした。
 
ぼくは赤い自動販売機のボタンを押して
ゴトンと落ちてきた赤いQooをとらに手渡した。
 
そしてまたぼくらは青と白の下を
うっすら赤くなる空の方へ向かって
てくてく てくてく
歩いて帰った。


オフテイク 1



空や雲と飛行機はどう違う?
こども(A Child)はいつ子供(The Child)になる?
 
昔見た映画の冒頭のシーン
そういえば、あの詩はなんだったんだろう?


Opening scene of the film “Wings of Desire” / 映画『ベルリン天使の詩』

第1章
 
子供は子供だった頃 (When the Child was a Child…)
腕をブラブラさせ
小川は川になれ 川は河になれ
水たまりは海になれ と思った
 
子供は子供だった頃
自分が子供とは知らず
すべてに魂があり 魂はひとつと思った
 
子供は子供だった頃
なにも考えず 癖もなにもなく
あぐらをかいたり とびはねたり
小さな頭に 大きなつむじ
カメラを向けても 知らぬ顔
 
~ ペーター・ハントケ「子ども時代の詩(わらべうた)」


はじめはみんな、こどもだった
みんな、なにかに夢中だった

すべての人の内側にいる 子どもが
好奇心と発見だらけの 夢中な時間を取りもどし

てくてくてく

ふたたび 創造的で 自由でいるために
現実と空想の間に浮かぶあの
ファンタジーを呼び起こそう

「天使とは、私たち一人ひとりがそれぞれの内にもっているものであり、みな、自分自身の天使というものを持っているわけです。それは、子供、我々の内なる子供なのです。」
〜 映画『ベルリン天使の詩』 監督 ヴィム・ヴェンダース

Evoke your fantasy! for Creative Freedom.
クレアリベロ

kaminariAme
2017/6/20